ドモジェドヴォ空港のトイレではトイレットペーパーは流していいのか?それともごみ箱に入れるのか?がさっそく分からずに迷ったが、どっちか分からないので念のためごみ箱の方に捨てた。ロシアのトイレは紙が流せないことも多く、その場合は個室に設置されているごみ箱に入れるという前情報は仕入れていた。
入国管理官にパスポートを見せていくつかの質問に答え、入国手続きを済ませた。管理官がガムをクチャクチャ嚙みながら聞いてきたのが日本ではまず無さそうな勤務態度だったので、ちょっと面白かった。
預けていた荷物を受け取って税関らしき所を抜け、ホテルに行くためのタクシーを手配する窓口を探していると、体格の良いおじさん3人に「TAXI?」と声をかけられた。どうしようか迷っていると半ば強制的に連行され、タクシーがたくさん停まっている場所まで連れていかれた。ホテルまでの交通手段を事前にちゃんと調べてなかったのでありがたく乗せてもらうことにしたが、提示された料金を見ると6900ルーブルだった。「高くない?」と思ったがとっさに英語も出なかったので逆らえず現金で支払った。やばい、旅行中にお金が足りなくなる、と焦った。ロシアでさっそく人の良さそうなおじさんたちにカモにされて少し憂鬱になりながら、車窓から外の景色を見ていた。
運転手はウクライナ人のおじさんで、「小さい子供がいるのでその子に日本のコインを渡してやりたいから何かくれない?」と言われた。運転中にお互い言語が通じない中での会話だったが、言葉が通じなくても身振り手振りなどで意外と何を言ってるかは分かるものである。私はこれ以上カモられたくなかったので「これは日本で神社にお参りする時に使うんだ」などと片言の英語で言いながら5円玉を渡した。このウクライナ人のおじさんは今はどうしているだろうか。
それにしてもホテルまで遠い。なかなか着かない。途中で警察官のような人に止められて何かチェックを受けたり、モスクワの渋滞が酷かったりして結局2時間半かかった。6900ルーブルでもまぁ相場なのかもしれん、と自分を納得させた。モスクワの道路は混雑してクラクションが鳴りまくっていた。年末の時期で新年が近づいていたが、街ではまだクリスマスの飾りがしてあった。
無事にホテルに着いたが、フロントのスタッフはロシア語が話せない日本人が来たことに少し戸惑っていた。専門旅行会社の人には「旧ソ連型のホテルです」と言われていたが、とてもきれいなホテルだ。「旧ソ連型のホテルってどういうことですか?」と聞くと、旅行会社の人は「サービスという概念がない、ということです」と言ったが、私は必要最低限のサービスで充分と思っているのでまったく構わなかった。ホテルのスタッフが言葉が通じないながらも一生懸命、明日の朝食の場所と部屋まで案内してくれた。
私はとりあえず部屋についてテンションが上がり、ほっとした。この時はまだガラケーだしネットを使える用意もしてこなかったので当然ネットは見れなかった。室内で暖房が効いているのか、思っていたほど寒くなかった。(次回に続く)